はじめに
本記事は、4月19日にグラングリーン大阪にて開催された「AI 共創の時代へ – Build with AI Kwansai」のイベントレポートとなります。

GDG Greater Kwansaiとは
GDG Greater Kwansai は、広域関西圏で活動する Google Developer Group です。 大阪、京都、奈良、神戸、岡山、四国、広島大学、大阪大学、金沢工業大学など、広い意味での「関西」を活動範囲にしています。 主に AI や Cloud Computing など最新のテクノロジーに関するセミナーやワークショップを行っています。

イベント概要
このイベントは、AI時代における高度なIT人材育成や、AIの活用法をテーマとし世界的に活躍する先進的な技術者たちが集結しました。
これからのエンジニアに必要とされる能力やAIの活用法について、パネルディスカッション、講演、ワークショップを通じて共有して頂きました。
AutoGenで簡単作成!AIマルチエージェントのススメ(講演:冨田 称正)

近年、複数のAI(エージェント)を組み合わせて強調させる「マルチエージェント」構成が注目されており、今回はそれを簡単に実現できるOSSフレームワークAutoGenについてご紹介いただきました。
AutoGenでは、複数のLLMエージェントに異なる「ロール(役割)」を与えて連携させることで、より高度なタスクを実行することを目指すことが出来ます。
- Two Agent Chat:2体のエージェントが対話しながら結論を導く構成
- Sequential Chat:エージェント同士がバトンのように情報を引き継ぎながら進行する構成
- Group Chat:マネージャーやメンバーなど複数の役割を持つエージェントが一斉に会話する構成
上記3つの構成が紹介され、事例を用いた活用方法を具体的に解説されました。
また、マルチエージェントの構成はユースケースに応じて最適な形を選ぶことが重要であり、AutoGenを使えばその構築も非常に簡単に行えるとのことでした。
夢工房RoboCup@Home 最先端ロボットの頭脳を覗いて(講演:金沢工大 松村 拓洋)

夢考房が挑戦するRoboCup@Homeは、「人々の生活を幸せにする生活支援ロボットの開発」を目指し活動しています。講演者の松村拓洋さんは、その開発現場から見えるこれからのエンジニアに必要な力について話してくださいました。
これからのエンジニアには「自分の世界観を持ったモノづくり」が必要です。ただ動くものを作るだけではなく、「なぜそのコードで動くのか」を理解し、応用・発展させていける力が重要になります。つまり、ネットにある情報だけに頼らず、APIのドキュメントを読み、基礎から学ぶという従来の勉強に対する姿勢が欠かせないのではないかとおっしゃられていました。
また、AIの進化によって「コーディングはAIに取られてしまう」と悲観する声もありますが、松村さんはそうした見方を否定しています。むしろ、これからの開発においては、小さなモジュールを地道に組み上げ、AIに適切な指示を出し、必要な要素を整理して組み立てる力が求められると語っています。
Gemini API 2.0 ハンズオン(講演:tsho)

tshoさんによる「Gemini API 2.0 ハンズオン」は、AI技術を肌で感じられる貴重な機会となりました。会場には学生や開発者が集い、ノートPCを開いて真剣なまなざしで画面と向き合う姿が印象的でした。
今回のハンズオンではGoogle Colaboratoryを使い、Geminiのマルチモーダル能力を活かしたAPI操作を体験。高速レスポンスを実現する「Gemini Flash」も紹介されました。
APIは、テキストプロンプトからの生成はもちろん、マルチモーダルな理解や、制御可能なテキスト読み上げ、安全性を担保するフィルターの活用まで幅広い機能を備えています。また、独自のプロンプトによる生成や、パラメータの調整によるモデル挙動の変化も体験し、参加者は積極的にコンテンツの生成やサンプリングに取り組んでいました。
イベントが円滑に進行した背景には、TA(ティーチング・アシスタント)としてサポートに入っていた伊吹さんの存在も大きかったようです。わかりやすく丁寧なサポートに、参加者から感謝の声が寄せられていました。
まとめ
本イベントは、AI時代に求められる高度なIT人材の育成と、AI活用の最前線をテーマに、講演・パネルディスカッション・ワークショップを通じて実践的な知識と技術を共有する場となりました。

次回イベントのついて
次回は5月17日(土)17:00~ 神戸三宮サンキタ広場にて、プロのチェリストとアマチュアチェリストによるユニット「チェロボーイズ」のお二人をお迎えして、音楽とAIの融合を試みるイベントが開催されます!
ご興味のある方はぜひ下記のイベントページよりご参加ください。

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